最終面接がいまいち…しかし内定が

結論から言えば、最終面接の手ごたえは微妙でした。

面接には社長も同席されていて、社長と担当部署の責任者、人事、そして私の4人にて面接が行われました。

面接を受ける前は、入社への想いはかなり高く、最終面接にて納得のいく手ごたえが感じられさえすれば、もう入社を決めてしまいたいと思っていました。

しかし、なぜかしっくりとこない面接でした。

待遇、仕事内容、将来のビジョン。どれもこれもが事前に聞いていた内容と微妙に違います。あと、なんでどの企業も面接が進むにつれて「泊まり込みもあります」とカミングアウトするのでしょう。別に泊まり込みがあるならで良いですが、それなら求人票に「繁忙期は泊まり込み有」と書いておけと思うのです。

社長のお話はたしかにすばらしい内容でした。しかし、それがどうも部下には伝わっていないというか、末端は全然事情が違うような印象を受けました。

一言でいうと、社長は理想的なビジョンを持っているけれども、部下は悲惨な労働環境でヒーヒー働いている、そのような不安を感じさせてくれました。そして、面接ではそんなモヤモヤを解消することができませんでした。

モヤモヤしている中での内定

モヤモヤした最終面接でしたが、私の社長への印象は良かったらしく、なんと最終面接を受けた翌日に「選考合格」の連絡がありました。

これまで、散々「今回はご縁がなかったということで」やら「今回は採用を見送らせていただきます」といった言葉を聞かされ続けていましたが、ここにきて初めての選考合格通知です。

頭の中が真っ白になり、何かがパサーッと弾けたような心地よくも気持ち悪くもない爽快感を覚えました。また、興奮してきたのか心拍数がやけに上がっていくような気がします。エージェントから大体の話を聞き終え、内定の返事は3日以内にしてほしいとの連絡を受けました。

さすがにすぐに返事をできる事ではありませんので、その日は連絡だけを受けて回答は保留しました。

正直なところ、心境はかなり複雑です。

今の選考状況をあらためて整理しますと、書類選考に応募している企業はいくつかあり、この内定連絡を受ける前後でもう1つ、2次面接へ進める企業が出てきました。もちろん、2次面接ですので最終面接はさらにその先にあります。

非常に悩む状況です。仮にこの機会を逃してしまい、さらに手駒の2次面接にも落ちてしまうと、再びゼロからのスタートになりかねません。どうしようかと悩みに悩みます。

どんな不満点があるかを羅列してみる

あまりにも答えが出てきませんので、そもそも何が不満なのかを羅列してみようと思いました。

  • 職場の雰囲気が社長の言っている内容とは違う可能性が高い
  • 給与面など待遇に関する話が面接では曖昧なままだった
  • ものすごく褒め殺しの最終面接で、持ち上げられるだけで面接が終わった
  • 職種と勤務地がどうやら希望と違うらしい
  • 仕事内容が曖昧だがスキルはいらないとのこと

この中のいくつかに関しては、完全に私に落ち度があります。後でこうやって悩むくらいなら、面接で聞いておけばよかったのです。それを「面接での印象が悪くなっては嫌だから」となあなあにしてしまい、結果としてモヤモヤが晴れないまま内定が出てしまいました。

自分自身に苛立ちを感じます。いつからこんな「守りの転職活動」をするようになったのでしょうか。最初の方はもっと気になることをズケズケと聞いていくスタイルだったと思います。

「面接での提示される労働条件が求人票と異なればコッチから願い下げだ!」くらいに思っていた時期もありました。それが選考に落ち続けることで、徐々に精神が弱っていき「相手のご機嫌を伺いながら発言するスタイル」に変わっていってしまいました。情けない限りです。

苦渋の決断で内定を辞退する

内定連絡を受けてから2日間、本当に悩みに悩みました。1つのことをここまで悩んだことなど、人生の中でそうそうないと思えるほど悩みました。

その結果、選んだ結論。私は内定を辞退することを選びました。

本当に苦渋の決断です。簡単に決められた答えではありません。未練もあります。でも、そうするのが最適だと判断したのです。

決め手となったのは「その会社の何が気に入ったか」を整理したことです。

その会社の何が気に入って選考を受けたかなのですが、私は職種と勤務地を気にいって求人を選びました。職種は希望する技術職で、勤務地は都心にとても近い街中、これほど魅力的な環境はないと思い選考を進めていました。正直、職種と勤務地が満たされるのなら、給与は多少低くても問題ないと思っていたくらいです。

しかし蓋を開けてみれば、給与は曖昧、職種と勤務地は違います。よくよく考えてみれば、会社が魅力的なのではなく「内定」という結果が魅力的に見えている自分に気づいたのです。

転職活動を行っている人にとって「内定」とはすばらしいものです。しかし、転職してしまえば「内定」なんてものは何の意味も成しません。重要なのはその後の待遇や労働環境だけです。

それらを考えた場合、今回の内定はどうも違うと思ったのです。

電話をかける際の手が震えていましたが、何とかエージェントに事情を説明し、内定を辞退させていただく旨を伝えました。エージェントの人はもったいなさそうにしつつも理解を示してくれました。エージェントに関しては、本当に良い人が担当になって運が良かったと思います。

電話を切ると、将来のことに対する不安が押し寄せてきました。しかし、それもこれも自身で決めた選択です。仕方がありません。

明日への仕事の気力は起きず、最終面接前後で精神力もかなり使い果たしましたが、とりあえずふて寝でもして切り替えていこうと思います。

「納得のいく転職なんて本当にできるのか?」「この内定辞退は本当に正しかったのか?」

今は深く考えずに寝てしまおうと思います。